依存症者の妻に見る、「恋愛依存」
私はこれまで、さまざまな依存症のご家族の相談を受けてきました。
その中で、特に奥さんの立場からのご相談で、
「え、なんでそのタイミングで結婚したんですか??」
って人が結構いたんです。
ギャンブル依存症の人なら、借金が発覚したタイミングとか。
アルコール依存症の人なら、泥酔して記憶をなくして、大失敗した時とか。
単純に考えたら、結婚前にそんなことわかったら、結婚やめようかな、って
思いますよね?
でも、彼女たちは違うんです。
「こんなことになるなんて!やっぱり私がずっと彼のそばにいないと!」
「私が彼を助けてあげないと!私だけでも味方になってあげないと!」
って発想から、あえて泥船に乗るんですよね。
「理想のタイプは全然違うのに、
なぜか放っておけなくて、問題のある本人と結婚してしまった。」
「付き合ってみたら問題のある人だった、というパタンが多い」
「お付き合いするうちに、毎回彼氏がダメ男になっていってしまう…」
私が気になってしまって、突っ込んで聴いてるからかもしれませんが(笑)、
結構な確率でこういった話を聴きます。
現代ではほとんどの人が、家族になる前に、そのパートナーと「恋愛」しますよね?
その「恋愛中」に、お互いが抱えている問題に気付くかどうかで、
作っていく家族の将来が大きく変わるのでは?と私は考えてます。
もし、彼女たちが、かつて「彼氏」であった依存症ご本人たちと
結婚する前に、自分自身の問題に気づいていたら…。
流さなくていい涙だって、あったかもしれない。
あるいは、子どもたちに悲しい思いをさせることも、なかったかもしれない。
そんな風に思うから、私はこの問題に、取り組んでいるのです。
恋愛依存症とは
依存症の種類の中に、「恋愛依存症」というものがあります。
アルコール依存症の人が、お酒をやめられない自分で飲む量を
コントロールできないように、「恋愛」に対して、
相手との適切な関係をコントロールできないことを指しています。
互いに傷つけあうのに、離れられない関係を繰り返す
恋愛しても幸せな時間よりつらい時間の方が長い
いつまでも失恋から立ち直れない
のような方は、恋愛依存症の可能性ありです。
「恋愛依存」という言葉からイメージすると、「彼氏をとっかえひっかえしてる」
「恋多き女」 「浮気、複数同時並行の恋愛」「セフレがいる人」
と感じるかもしれませんが、たった1回の恋でも恋愛依存になる人はいます。
医学的な基準の「診断名」ではないので、専門病院でも
恋愛依存症を取り扱っている機関って限られていますし、
私も恋愛依存症の一人ですが、私だって、依存症の相談を受ける
立場でなければ、自覚することはできなかったと思います。
自分の問題に気づくって、結構難しいものですよね…。
恋愛依存症の4つのタイプ
心理学者の伊藤明先生は著書の中で、
恋愛依存症を大きく以下の4つのタイプに分類しています。
1.共依存(苦しい愛から抜け出せない)
2.回避依存(幸せになるのが怖い)
3.ロマンス依存(愛の刺激にハマる)
4.セックス依存(苦しみを性愛でしか癒せない)
ー「恋愛依存症」より抜粋(伊東明著、実業之日本社、2015)
私は、この中の「共依存タイプ」に注目し、取り上げたいと思っています。
特に、看護師・保育士・福祉職・対人援助職の女性に、
その傾向が多くみられる、と感じてます。
優しくて、真面目で頑張り屋さんな彼女たち。
だいたい、この「共依存タイプ」に当てはまると思います。
恋愛は、完全尽くし型。
相手が幸せになってはじめて「自分が幸せになってもいい」と
考えてしまう人たちです。
いい奥さんになりそうだね、なんて言われちゃう。
尽くすことが評価されてしまうと、
「それが私のあるべき姿なのだ」
と、勘違いしてしまいます。(あくまでも勘違い!)
そして逆に、「何もしない私はダメなんだ」と思ってしまう。
周りがほめて持ち上げてしまうことも、
周りの評価に自分の価値を委ねすぎてしまうことも、
心配だな、と思っています。
次回、その共依存タイプを深めていきたいと思います。
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